この記事は以前、はてなブログにて掲載していた記事を必要に応じて最新の現状を付け加え、再掲載しております。その際、元記事は打ち消し線で訂正してありますので、一度読んだことのある人もその後の様子がわかるかと思います。興味のある方はぜひ再読していただけたらと思います。
渡米治療生活についてもう少し詳細に書いてみようと思います。
渡米中に学ぶことが本当に多くて、生活の様子とともにお伝えできたらと思います。
出国&到着
出国前には仕事を続けるのが困難なくらい顔のアトピーが悪化していて、アメリカのコーディネーターを通じて相談し、「渡米まで日本のロコイドのみ使ってもいいよー」と言われていました。
それでも渡米3日前には中止しておくよう指導があり、顔は真っ赤…。
長いアトピー生活のせいで醜形恐怖症の気がある私は、顔が赤いのが一番のストレスなのです。
デルタ航空で夕方に日本を出発。初めてのデルタ航空でしたが、安心なのはCAさんに日本人の方もいた事。海外旅行に一人で行ったことはなかったので、この点は本当に安心でした。
時差の関係で到着は同じ日の朝8時まで遡ります。飛行機に乗っている時間は10時間くらいあるので、その間は寝るに限ります。
…が、もともと寝るのが下手な私は興奮状態な上、映画を3本も見てしまい、一睡もせずアメリカに着きました。
お陰でアメリカの夜が来るまで、およそ丸々2日間起きっぱなしというなかなかしんどい初日となりました。
海外旅行の際は税関で入国の目的を聞かれると思いますが、何やら日本人女性は警戒されるそうです。
なぜなら、アジア人女性による渡米はアメリカ人との結婚目的=グリーンカード(アメリカ国籍)取得狙いと警戒されるんだそう。そんな事が起きてるんですね。知らなかった。
そう怪しまれないためにも、事前にドクターからメールでletterを貰っているので、それをプリントアウトして税関の人に挨拶したあと提出します。
その紙だけで税関がニッコリして通してくれるのですから、ここでまたDr.マセソンへの信頼度がアップです。(letters自体は日本の公的な文書みたいな雰囲気のものでもないのに、不思議……)
流れに身を任せてスーツケースを受取り、ロビーで待っていたコーディネーターKに会います。講演会でお会いして顔を知っているというのは異国ではますます心強いものです。
そしてもう一人一緒のタイミングで治療に参加される方と待ち合わせて、1ヶ月過ごすケアホームに向かいます。
お金事情
支払いは基本的にキャッシュレスがこの国の普通なんだそうです。
逆にたくさん現金を持ち歩くほうが危険とのことで、お金の取り扱い方に悩みました。
いつも使用しているクレジットカードはスキミングの被害(日本にもあったけど、ATMとかでスキミングされるらしい)に遭う不安があったので、MoneyT Globalというものを使うことにしました。今もまだあるのかな?
これはVISAが行っているサービスで、独自の口座に入金しておくとプリペイドカードのようになります。
そしてそれはカード払い(デビットカードみたい)もできるし、ATMで出金もできるというものです。
これなら上限があるので、たとえスキミングされても限界があると思えたのがポイントでした。
だけど本当に現金を使う機会といえばケアホーム代を払うときと、バスなどの乗り物に乗るとき(キャッシュレス社会なのになぜ乗り物は現金なのか…)くらいでした。
Dr.ベイカーによるアレルギー検査
ケアホームでコーディネーターN(Kのお母様で初代コーディネーター)に会い、少し休んだら早速Dr.ベイカーの診察に行きました。
昼でしたが、もうすでに眠いです。飛行機内で寝てないからね。
ちゃんと医師も看護師もいるはずなのに、クリニックは事務所みたいな雰囲気で、医療機関っぽい服を着た人が見当たりません。
患者にプレッシャーを与えないためなんだそうです。なんなら看護師さんがガム噛んでました。
Dr.ベイカーはアレルギーの専門医で、今回は私の持っているアレルギーを検査してくれます。
初めはスクラッチテストと言って爪楊枝のようなものでひっかくようにアレルギーを肌に付け、反応を見ます。鼻炎程度のアレルギーの実感しかなかったので、私にはアレルギーはそんなにないと思っていました。標準治療していた時に血液検査でアレルギーチェックしたときは医師から「そんなに顕著なアレルギー反応はない」と言われていたし。
しかし、甘く見ていました。ちょっと引っ掻いて接触するだけ、それだけで本当に痒くなってくるので不思議です。
その後反応の少なかったものを改めて皮下注射し、チェックします。
結果、私は検査項目にほぼ反応し、犬のみアレルギーがないということでした。
以下がチェックした項目と反応の度合いです。最後に抗ヒスタミン剤を飲んで終了です。
<スクラッチテストで反応のあったもの>
【1位】コナヒョウヒダニ
【2位】ヤケヒョウヒダニ
【3位】ネコ、ヒノキ科、ブナ科、クルミの木
【4位】カバノキ科、ヘーゼルナッツの花粉、ポプラ、イネ科etc…
<皮下注射チェック>
【1位】ブタクサ、カビ
【2位】芝
【3位】コウジカビ
本当はもっと細かく結果が出ているのですが、ポートランドの植物が主になっていることもあり、かなりシンプルにするとこんな感じです。
ケアホームでの生活
朝食はケアホーム代に含まれているので、週1回補充されるパンやジャム、フルーツ、シリアル、飲み物は好きなように食べられました。
前の患者さんが余らせてしまったものなども好意で残してあったりしたので、ありがたく頂くことも。
テレビはさすがアメリカ、チャンネルがたくさんあるので、何かしら見るものがあります。
日本のマンガもたくさんあり、もちろんWi-Fiも飛んでいるので引きこもり生活も充実しています。
しかし、月の半ばからは肌も回復して元気も出てくるのでケアホームにじっとなんてしていられなくなるそうです。
周囲は緑豊かな住宅地で、すごく家と家の間隔が広い団地のようです。
冬に行ったのですが、湿気があり、日差しが温かいためにすごく過ごしやすい環境です。
徒歩圏内にスーパーやコンビニ、食事をするところもありました。
※ケアホームは転々と場所を変えているようなので、もう私の情報はあてにならないかもしれませんが。
Dr.マセソンのアトピー診察
いよいよDr.マセソンの診察です。
その前にコーディネーターKからたくさんの説明を受け、契約書のようなものにサインをします。
つまるところ、医師側は治す前提で最善の努力をします。なので、患者側は医師の指示にきちんと従ってください。従ってないのに治らなくてもそれは自己責任だよ、みたいな。
当たり前のことなんですが、よく考えたら私は日本では途中で治療が合わないと思ったら勝手にやめたりしてました。
日本人は治らなくても病院を訴えたりなんてことはしないですが、アメリカは訴訟大国。そういう手順も必要なんでしょうね。
でも逆に絶対治すと宣言されているような安心感もありました。
Dr.マセソンにも講演会でお会いしていたのであまり緊張せず。
日本で私が作成してメールしておいた問診票をチェックしながら色々と質問され、それをコーディネーターKが通訳してくれます。
私のやってきた治療法はどれも1年とか2年で切り替えているので「どれも試してみたって感じだね」と言われました。ただ、それのお陰でアトピーが難治化しにくい状態にできていたとも言われたので、飽きっぽいのもメリットがあったのだなぁと安心しました。
触診では下着姿になるのですが、その間コーディネーターKは退室しています。
通訳がいないってちょっと不安ですが、その間はほぼ会話がないのでOK。「itchy?(痒い?)」っていう単語だけ覚えました。
日本の皮膚科では大抵がさっと診るだけだったのですが、ここでは皮膚の表面にいるウイルスか何かでも見つけるかのようにじっくり診られるので驚きました。
治療で患部が変化していくのも見るために写真を撮ります。
顔やデコルテに炎症が多く、衣類の下は炎症が少ないため、空気アレルギーが強いと言われました。
その後体重を測り、私が滞在中に身体から出ていく丁度良い量のステロイドをお尻の筋肉に注射。これが痛い。
炎症で感染を起こしているため抗生物質を処方。鼻の中に塗る抗生物質も。
保湿剤としてプラスチベースという白色ワセリンよりもっと透明な緩いやつと、セタフィルローション。保湿力はプラスチベース>セタフィルローションです。
睡眠は保湿よりも大切ということで、ドキシペンという眠りを深くする薬ももらいました。
保湿の大切さとテクニック
保湿はとても大切なセルフケアです。
皮膚バリアがうまく機能していない人はセルフケアで皮膚を保護しないといけません。
1日2回、入浴します。
入浴するお湯の温度は人肌より冷たいくらいがいいです。
なぜなら体が温まってしまうと痒みが出てきてしまうから。
ちなみにケアホームのお風呂はホテルなどによくある浅型の湯船なので全身浸かるのはなかなか難しく、ほぼ寝そべるようにしないといけません。
顔にも水分を浸透させるために濡れタオルを乗せます。
そして20分過ごしたら、湯船から上がって3分以内に全身くまなく保湿します。結構厳密に3分以内というのが決まっていて、バスルームにはIKEAのタイマーが置いてあり、湯舟から上がったらそのタイマーをオンにしてきっかり3分以内で塗りつくします。
保湿剤の塗り方は肌をカバーするつもりで、けして擦り込まないこと。叩き込まないこと。
乾燥の度合いで保湿剤を使い分けること。
寒いお風呂ですが、すぐ保湿をすることで体が暖かくなります。
体を洗うのはセタフィルクレンザーと言って、バクテリアだけを除去してくれるので、大切な皮脂が取り除かれることはありません。
半透明なジェル状のもので、肌の上を滑らすようにするだけでOKです。
シャンプーもエグゼダームという病院指定のものです。が、驚くほど泡立ちません。髪もギシギシになってしまい、もともと多毛の私は洗うどころではなくなってしまったので、以前指定されていたHead&shoulderというシャンプーをスーパーで購入して使っていました。
いろんな種類がありますが、簡単に泡立ち、痒みも出ませんでした。日本に帰ってからも使用しています。Amazonを使えば異国のシャンプーも買える、素敵な時代です!
睡眠の大切さ
Dr.より、睡眠は保湿のセルフケアより大切だと言われていました。
1日2回お風呂に入る決まりですが、眠れるのであれば睡眠を優先させること。
夜眠る前にドキシペンという薬を飲みます。
カプセル状の薬で、1錠から6錠を自分で調節して飲みます。これは眠りを深くする薬で、睡眠導入剤ではないので飲んだからといって勝手に眠くなるわけではないです。
ただ、量を多く飲んでしまうとフラフラになって朝起きたときにひどく気持ち悪くなります。(気持ち悪くなりました)
自分の適量を見つけて飲むと質の良い睡眠が取れ、なおかつ寝ている間の痒みも抑えられます。
渡米中は4錠が私の適切な量でしたが、今たまに飲むときがあっても1錠の3分の1くらいでないとフラフラになってしまいます。
それだけ自力の睡眠で身体が休まる、薬のいらない生活になったのだと思います。
1週目が終わって…
常に保湿!そして睡眠の日々でした。
保湿し続けて常に肌がテカテカしているので、状態の確認が難しいです。
バスルームしか鏡がなく、バスルームの照明が暖色なので赤みを確認しにくいこともあります。ただ、これだけ保湿をしていても痒くなってこないのはステロイド注射のおかげなのか何なのか…。
少しムズムズ痒いところは処方してもらった極めてステロイドの少ない塗り薬を塗っていました。
3日目にして肌がしっとりしているのを感じ、傷やガサガサがないのを確認しました。
めちゃくちゃ眠くていつも昼前に起きていました。
身体もものすごくだるくてご飯も適当、1日ダラダラして過ごしていました。
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