この記事は以前、はてなブログにて掲載していた記事を必要に応じて最新の現状を付け加え、再掲載しております。その際、元記事は打ち消し線で訂正してありますので、一度読んだことのある人もその後の様子がわかるかと思います。興味のある方はぜひもう一度再読していただけたらと思います。
受診の経緯
短大を無事卒業し、就職氷河期の名残が残る中、何とか地元の工場の事務員として就職しました。
ちなみに短大卒業と共に栄養士の資格を取りました。
周囲には栄養士として就職する子もおり、私もその道を考えたのですが、大抵は誰かに食事を作る仕事。施設なり弁当屋なり病院なり…朝ご飯の用意となると出勤時間も早い。
正直なところ、自分の体力に自信がありませんでした。
いつまたアトピーで思うように動けなくなるかわからない……。
あと、洗剤とか水仕事が多いことで起こる湿疹拡大への不安。
その頃ありがたいことに手湿疹はなかったのですが、毎日の水作業は肌の弱い人には厳しいものがあるという情報も得ていたので、躊躇ってしまい無難な事務職に絞っていたところがありました。
アトピー持ちの人、職業を自由に選びにくかった経験はないですか?
さて、事務員になった私、着々と仕事を覚え、少しずつ職場にも慣れてきた5月のゴールデンウィークに入る前のことです。
またやってきました。まぶたが異様に乾燥して硬化。
二重の開き方がおかしくなり、開きにくくなるのでジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーオイルを塗ってなんとか開くようにしました。
ちなみにワセリンを塗ると皮膚が緩んで痒くなり、最終的には皮が剥がれてしまいます。
何なんだこれは!また保湿迷子です。
また、肘の内側も皮膚が硬化し、痛くて曲げられないほどになりました。
放置しておくとさらに進行し、今までなんともなかった二の腕にポツンポツンと貨幣状のジュクジュクした湿疹が。
これも何なんだ!ちょっといつもと違うぞ……。
けど、この感じ、短大に入ったときと似てる……と思った私は、自己流で脱保湿に挑戦することにしました。ちょうどゴールデンウィークがあったのでそのお休みを利用して。
するとどうでしょう、ますます悪化しました。
顔、首、デコルテ、肘、膝、がジュクジュクとした湿疹に。
確かその時は意地でも掻き壊さないようにと両手にミトンをはめ、ベッド脇に縛って寝ました。
結果は……夜中に猛烈な痒みで起こされ、強引にミトンを外して本能の赴くままに掻き壊しました……。
なので翌朝痛いのなんの。
これはまずい、治る気がしないと思い、職場にお休みをもらって電車で1時間半ほど乗り継いだ先にある美容を推している皮膚科へ行きました。
そこはまた今までとは違ったアトピー治療をしているクリニックでした。
その名も亜鉛療法。
一応、栄養士免許はあるので亜鉛についても知ってはいましたが、まさかアトピーと関連があるとは…。
新しい治療法を知ると「今度こそは治るかも…!」って期待しちゃいますよね。
受診してみた
医師はとても優しげな女性でした。
美容に力を入れているので医師も美しい。
医師いわく、アトピーの人は亜鉛とタンパク質が足りていないのだということ。
亜鉛は大工さん、タンパク質は木材として想像してもらえると分かりやすいかと思います。
どちらが足りなくても家は建ちません。
亜鉛もタンパク質も足りなくては皮膚が再生されません。
何だかなるほどなぁ…と納得させられました。
医師が「アメリカの人でアトピー性皮膚炎って聞かないでしょう?アメリカ人は肉をたくさん食べているからアトピーにならないのよ」と言っていたのは「アメリカ人も人それぞれなのでは?」と思ってしまいましたが。
初めはステロイドでがっつり治療し、炎症を治した上で亜鉛とタンパク質で身体を変えていくとのことでした。以下が最初に使った薬たちです。
- セレスタミン錠
- クラビット錠
- フェロチーム錠
- ロコイド軟膏
- ヒルドイドソフト+アンテベート軟膏
がっつりステロイドです。しばらくステロイドは避けてきたのですがこの際仕方ありません。そしてこの治療法の要となってくるのが食事療法。
- クリニック特製の亜鉛を標準より少し多めに毎食服用
- 肉を1日につき200g食べる(赤身のほうがいい)
- 卵を1日につき3個食べる
- プロテイン(ザバス)を1回スプーン3杯、食前に飲む
- 炭水化物(もちろん糖質も)一切摂らない
今まで肉類は避けたほうがいい食材に分類されていたので、衝撃的な食事内容でした。
炭水化物抜きはなかなかしんどそうだけど。
そして人生初のプロテイン。
ステロイドは最初だけがっつり使うので、とりあえずそれによって自己流脱保湿でできてしまった酷い傷たちは一旦おさまりそうです。
治療の経過
初日は指定された箇所に指定された薬を塗り、包帯でぐるぐる。
翌朝には炎上の起きていた皮が剥がれ、その下にきれいな肌が。
まるで生まれ変わるような脱皮でした。
ステロイドすごーい。
驚くべきことに、2005年以降悩んでいた乳首のジュクジュクとした湿疹も普通の皮膚になりました。
3年も患っていたのに、普通に戻れるなんて…と感動しました。
まぶたの赤みは消えませんでした。
毎晩の顔の皮の脱皮と、顔がムズムズして叩かずにはいられない状態は変わりませんでした。
食事は正直なかなかキツいものがありました。
とはいえ、母が食事を作ってくれていたので、作る大変さはなかったのですが、まず毎食前のプロテインがキツい。ドロッとしていてむちゃくちゃ甘く、飲みにくい。
そして元々少食なので肉の量が多く、何より卵が毎食一個はキツすぎました…。
それでも頑張って食べる、飲む。
亜鉛療法治療の結果
大悪化したときの湿疹や傷はあっさり治すことができました。
それはステロイド薬のおかげですね。
そしてやっぱり完全には治りきりませんでした。
それでも皮膚科の医師の中ではきちんと話を聞いてくれる優しい方だったのでとても通いやすかったです。
ただ、ある時また顔が真っ赤になってしまったときに「とりあえず何でもいいからこの赤みだけ抑えてほしい」とお願いしたことがありました。
その時は大きな注射器でビタミンCとか色々入った液を点滴してもらったのですが、特に変化もなく……。
「おや……?」と思ったが最後、そのあたりから私の心がどんどん離れ、食事もしんどかった為にやめてしまいました。
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